ケーブル防護の助っ人

(2) げっ歯生物との驚異的な戦い

記事提供:協栄線材㈱
2014.9.29
 ●鳥獣被害はネズミだけでは止まらず
  現在では、生物の多様性に伴い、架空線、地下配線として敷設済みの光ファイバーケーブルが、野生動物達によって破断されてしまっています。
  主に、対象となっている加害動物達は、ネズミは勿論、台湾リス、ももんが、むささび、きつつき、コウモリ蛾、などです。
 
●想定される主な被害状況
(1)カラス
  都会を中心に繁殖している思われるカラスは、営巣のために針金ハンガーを利用している事は、割とよく知られている事実です。
  光ファイバーは鋭角に屈曲させることができないので、支承部でアールをつけている。その形状が針金ハンガーの両端部に似ているので、営巣時期に架空線路にとまって、鋭く強力な嘴で光ファイバーを引きちぎってしまうようである。

(2)台湾リス、むささび、ももんが
  連載1回目でもご紹介しましたが、切歯は長大で、終生根ができず弧を描いて伸び続ける。大部分が歯質よりなり、固いエナメル質がその前面にしかないため、先端はのみ状を呈し、クルミやマツの実のような固い殻をかじって穴を開けるのに適する。常に物をかじってすり減らす。犬歯はない。
  台湾リスは好奇心の強い動物であり、新しく目に映った光ファイバー線を見ると寄って来てしまうようである。
  げっ歯類の習性である固い物をかじることによって、伸び続ける前歯を削り、歯並びを整えるので、光ファイバー線を前歯で削り切断してしまうようである。
 

               「台湾リス」                  「むささび」
 

(3)コウモリ蛾・蟻
  光ファイバー線の断面は、長方形の上下の長辺の真中に三角形の切れ込みが入った形状をしている。その切れ込みにメスが産卵管を挿入して、光ファイバー線に卵を産み付けてファイバー線を破断させるようである。
       「コウモリ蛾成虫」体長43-71mm 「コウモリ蛾幼虫」体長70-85mm
 
●被害にあったケーブル画像
 
 ・蟻が発生させる蟻酸によって、銅線を溶かす。 ・コウモリ蛾の産卵による破断。
 
 ・被害推定:ももんが・台湾リス
 ステンレス・ケーブル・プロテクターを施工した箇所は無事であるが(画像、奥と手前)
 未施工箇所は無残にも被覆がぼろぼろになる被害にあう(画像中央部)
 
●被害ケーブルの多様化に伴い、プロテクタ仕様もアップ
  既存品1種類(内径12mm)から被害ケーブルサイズ多様化に伴い、仕様の違う2品種を追加し、(内径7mm品、内径35mm品)通信ケーブルを破損から防ぐこと、安価で利用価値の高いげっ歯類被害忌避部材として貢献できるよう現在も活動しています。

 

次回は「自然界でますます進化しています」についてご紹介します。

 

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