ケーブル防護の助っ人

(3) 自然界で益々進化?しています

記事提供:協栄線材㈱
2015.3.18
 ●ケーブル被害発生場所
  ステンレス・ケーブル・プロテクターの導入当初は、地下ケーブルのねずみ対策が、主であったが、現在では、生物の多様性に伴い、屋内ケーブル、地下ケーブル、屋外ケーブルと、あらゆる場所で被害が発生しています。
 
●状況
1.地下ケーブル
  対象生物は、ドブネズミ。日本中のどこにでもいるネズミで、地下配線ケーブルに被害を及ぼすのは、ドブネズミです。
 習性は、屋内では下水溝や厨房など、比較的に低い場所で活動し、屋外では、自然のほら穴やネズミ自ら掘った穴で生活しています。ドブネズミは、妊娠期間が約3週間、一回で産む数は7~9匹、年間妊娠回数は5~6回、1年間で、約35~50匹産むことになり、寿命は約3年といわれています。
 ドブネズミの、侵入経路は管路ダクト口や地下配線口等からです。
従来からの対策例は、キャップなどで隙間を閉塞、コンクリートで配線口を固める等の対策を実施。
 
 
2.屋内ケーブル
  対象生物は、クマネズミ、ハクビシン。クマネズミは、ドブネズミと違い屋内では、天井や壁の中など比較的高い場所を好み、屋外では森林地帯の樹上で生活しています。 生態は、ドブネズミと大体同様。
 
                      上段:ドブネズミ 下段:クマネズミ
 
 ハクビシンは、日本に唯一生息するジャコウネコ科の動物で体長は約50~60cm
 尾の長さは約40cm、体重は2~3kg オスのほうがメスより一回り大きいようです。
 特徴的なのは、運動能力が高く木登りが得意。垂直に1m以上ジャンプする。電線などを綱渡りで難なく渡る。
 クマネズミやハクビシンの侵入経路は、頭が入る程度の隙間から侵入するようです。
従来からの対策例は、侵入口封鎖、忌避剤散布、アルミホイルを巻く、防リステープなどによる保護。
 
 
(屋根裏に潜むハクビシン)
 

3.屋外ケーブル
対象生物は、げっ歯類(台湾リス、ネズミ、むささび、ももんが)、鳥類(きつつき、カラス)、昆虫類(クマゼミ、コウモリ蛾、蟻)
(各生態については前回号記述により割愛します。)
 ケーブル被覆を齧る、突く、刺すなど、心線を破断させてしまう。
 従来からの対策例は、HSケーブルへ更改、防リスシート・テープによる保護、電線防護カバーによる保護、設備周辺の樹木やツタの伐採。
 

次回は「その後のエピソード」についてご紹介します。
 

 

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