記事提供:㈱大栄製作所 2015.8.25 |
●用途はいろいろ中身しだい |
私たちのシェルターとは入れ物ですから、中に入れる電子機器が何か、又はどういう用途に使用するのかにより、呼び名が変わってきます。 一番の代表例は第一回にも取り上げましたように、電話会社の交換機や携帯会社の通信用無線機等の電子機器を収容するためのシェルターでしたが、それ以外に通信というキーワードでは空港設備・防災無線・消防無線・鉄道無線用シェルターがあります。また、放送というキーワードでは地デジ中継用シェルターやサブセンター用シェルターというものがあります。 更に、収納するものでは、蓄電池を収納する蓄電池用収容箱、発電機を収納するエンジン用シェルター、サーバーやストレージを収納するデータセンタ用コンテナ、作業者の保守作業用シェルター等呼び名もその用途により変わってきます。 |
蓄電池用収容箱 エンジン用シェルター データセンタ用コンテナ 保守作業用シェルター |
●工期は最短一日で |
建物を建てようとした場合、基礎を作って基礎の上に土台を固定し、この土台に工場で加工した柱や梁を組み立てていき骨組みが完成します。完成した骨組みに屋根を乗せ、外周りに外壁を取付け、内側に断熱材をいれて内装材を取付けていく方法が一般的と思われます。この場合、簡単な物置程度であればすぐ出きるでしょうが、ある程度の強度が必要とされる建物の場合は、建てはじめてから雨風を防げるようになるまでに、大きさにもよりますが数週間から数か月間掛かるのが一般的だと思います。 これに比べてシェルターの場合は、工場でシェルター全体を組み立てし完成状態で現地に輸送しますので、基礎を作るまでは建物と同じですが、基礎ができて基礎の周りにクレーン及びトレーラーやトラックが配置できれば、標準的に搬入設置は1日で完了します。 ここで、標準的なシェルターの搬入設置手順をご紹介します。 |
①搬入準備 シェルターを搬入する前に、基礎上にシェルターの外形寸法に合わせて、設置位置を墨だしします。 また、シェルターの鉄脚位置のレベル測定を行いライナーをセットします。 |
②クレーン配置 シェルターの吊上げ吊下げを考慮して、クレーンを基礎周辺に配置します。次にシェルターを乗せたトレーラーやトラックを誘導配置し、吊上げの準備を行います。 |
③クレーンによる吊上げ作業1 シェルターの吊金物に吊ベルトを固定したのち吊ベルトをクレーンにセットし、トレーラーからシェルターを吊上げます。 |
④クレーンによる吊上げ作業2 クレーンを回転させシェルターを基礎の上まで移動させ、墨だししたラインに合わせて基礎上にシェルターを下します。 |
⑤アンカー固定 シェルターの位置が合っているか、またレベルが出ているか確認を行い、鉄脚を基礎上にアンカーで固定し、設置作業は完了です。 |
●狭い場所でも最大限 |
シェルターの設置スペースは確保できるが敷地が狭くてクレーン及びトレーラーやトラックが配置できない、設置場所の敷地は十分確保できるが敷地までの道路が狭くてクレーン及びトレーラーやトラックが通れない等で、シェルターの導入を諦めていた場合があるかと思います。このような場合は、第一回で取り上げました「断熱複合パネル組立式」のシェルターを選択すれば、設置場所の現地で土台を含めシェルターを一から組み立てていくことが可能となります。組立を含めた搬入期間は一体型搬入よりもかかりますが、基礎が出来上がっていれば、2~3日間ほどで組み立てることができます。 |
右の写真のように周りが傾斜地であっても、シェルターの部品の搬入路と部品置き場が確保できれば、シェルターを設置することができます。 |